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新年はじめのごちそうとして用意するオードブルは、家族や客人の一年の始まりを祝う大切な存在である。おせち料理が主役になる食卓でも、オードブルは彩りと楽しさを添え、会話を弾ませる役割を果たす。小さな器に盛られた一品一品には、「少しずつ、たくさんの福を味わう」という願いが込められているように思える。<br> <br> 例えば、紅白を意識した生ハムと大根のマリネ、海老や帆立を使った冷製料理は、見た目にも華やかで新年らしい。和の要素として、黒豆のクリームチーズ和えや、伊達巻を一口サイズに切ったものを加えれば、伝統と洋風の調和が生まれる。さらに、彩り野菜のピクルスやサーモンのカナッペなど、軽やかな味わいの品を並べることで、箸も自然と進む。<br> <br> オードブルの魅力は、作り手の工夫が自由に表現できる点にある。高級食材にこだわらなくても、切り方や盛り付けを少し変えるだけで、特別感はぐっと高まる。金箔をあしらったり、松や南天を飾ったりすることで、正月ならではの晴れやかさも演出できるだろう。<br> <br> 新年のオードブルを囲みながら、「今年はどんな一年にしたいか」と語り合う時間は、料理そのもの以上に価値がある。小皿に盛られたごちそうは、人と人をつなぎ、新しい年への期待を静かに、そして確かに膨らませてくれるのである。